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2019.5.26
世界のバラの中でも最も長く多くの人に愛されてきた「ダマスクローズ」は、中東から地中海周辺で自然交配して生まれ育った野バラの総称です。
植物の香りは、動くことのできない植物が自分で自分を病気やケガから守るための自己免疫力ということができますが、寒暖の差の大きな乾燥地帯が広がる地中海周辺の厳しい自然環境の中で生まれた花だからこそ、その強く優しい香りが人々に愛され、美容はもとより医療や食用に、長く用いられてきたものです。
近年、日本の各地でも栽培が始まっていますが、ついに熊本でもダマスクローズのオーガニック栽培に成功しました。
その秘訣はやはり土づくりにあったようです。
稲のオーガニック栽培のためにアイガモを使う全国の有機農家に、長年アイガモのひなを届けてきたアイガモ育成農場が、ダマスクローズのバラ畑に生まれ変わりました。
小さな苗を植栽してわずかな期間しかたたない中でも、春の訪れとともに新しい枝を伸ばして、たくさんのつぼみをつけてくれました。
およそ2~3週間の間、毎朝次々に咲くローズの花を摘む毎日が続きますが、ダマスクローズの香りは心を穏やかにする優しい香り。
リラックスしながらの作業だから毎朝が楽しみと、ベテランのオーガニック生産者にも新しい喜びができたようです。
日々のバラゾウムシとの格闘や、気候変動による突然の悪天候の影響など、これからも試行錯誤が続きますが、野ばらの一種でもあるダマスクローズが、熊本県産ネロリとともに、新しい地域の特産品になることを生産者と一緒に目指します。