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水と芳香蒸留水(アロマウォーター)のお話

2019.3.31

芳香蒸留水

山の水もぬるむ三月。

阿蘇くじゅうの山々の清水が流れる渓流沿いにも、やわらかな春の陽ざしをあびてセリの若葉が茂る頃です。しばらくすれば、草むらには蝶々やバッタやいろいろな虫が戻ってくるでしょう。

水源

そう、水はすべての生命を育む命の源。水がないところに生物は育たず、水があることであらゆる生物は生きることができます。
そしてそれは微生物でも同じこと。地球上に現れた最初の生命である微生物は、地球に水があったからこそ発生増殖することができたのです。

それから長いときを経てそれら生命の集合体として生まれた私たち人間も、その微生物の力を食生活や健康維持など様々な方法で活かして日々の生活をいとなんできました。

その中でも「発酵」や「熟成」は微生物が増殖することでヒトにとって有益なものが作られることで、不快のものができることは「腐敗」と呼ばれています。
流れずに溜まった水にカビ(これもカビ菌という微生物)が発生して変色したり不快な臭いを発したりする「水の腐敗」は、日常生活でもよく見かけることでしょう。

化粧品でいえば、原料リストの最初に「水」が入っていることが多いのですが、そうした場合は、「腐敗」を防ぐために様々な防腐剤や保存料、そしてそれを水に混ぜ合わせて乳化させるための「界面活性剤」が必要となります。「水」が入っている化粧品の原料リストがとても多くの種類が必要になる背景には、保湿材等の有効成分が入っているだけでなく、そのような理由があるのです。

ところが、芳香蒸留水は水の分子の中に、とても微細な芳香分子が自然に混ざり合っていて(これを乳化と言います)、その芳香分子に抗菌作用を持つものが多いため、「腐敗」することがとても少ないのです。(芳香成分の種類や置かれている状況によって稀に腐敗がおこることがあります)
そのため、芳香蒸留水を主原料にする製品には防腐剤や保存料は、ほとんど必要がなくなるのです。

芳香蒸留水は、命を育てる水と植物の命の力が融合した奇跡の水ということができることでしょう。