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銅と抗菌

2019.6.30

温帯モンスーン気候に属する日本列島の夏特有の季節、「梅雨」の季節が、今年もやってきました。

湿度の高いジメジメした毎日が続くと、カビや雑菌が気になりますね。そこであわてて強い薬品で消毒している方も多いのはないでしょうか?
カビや雑菌も自然の生命、ということはここでは一旦置いておくことにして、オーガニック栽培や自然の植物を原料にしている仕事をしていると、ヒトの健康に悪い影響を与える可能性のあるカビや雑菌の繁殖を避けることは大切なことです。

でも、化学的な薬品を使うようになったのはつい近年のことで、ヒトは長い歴史の中で、そんな小さな生命とも上手に付き合ってきました。 その一つが、いろいろなところに使われてきた銅製の容器。
人は、銅を利用し始めた最初の頃から、そこに自然の抗菌力があることを知っていたのです。

銅製蒸留器

ヨーロッパのレストランの高級調理器具としては、今でも銅製が一番人気。また、ステンレス製品ができる以前の医療器具は、鍼はもちろんのこと、ほとんどが銅製。 そして、オーガニックのアロマを製造する私たちが使うのも、銅製蒸留器なのです。
なぜならば、昔から使われてきた銅製蒸留器にはオーガニックアロマに必要なたくさんのメリットがあるからです。
その一番のメリットが抗菌力。
銅製蒸留器で製造したアロマウォーターは、芳香成分がもつ抗菌力に銅の抗菌力が加わり、何年たっても雑菌が発生しないほどです。ですから、銅製蒸留器でつくったアロマウォーターを使った製品には、防腐剤や殺菌剤が不要となるのです。

その次にとっても助かるメリットが、銅の消臭力。といっても、アロマ成分が減少するわけではありません。蒸留の後は水洗いしてよく乾燥させておくだけで、前の香りはほとんど消えてしまうのです。ある種類の植物を蒸留した後、アルコールや石油系の強い薬品で何度も洗わなければならないステンレスやガラス製の蒸留器と比べると、お手入れがとっても簡単だと言えます。(手洗いのため、ちょっと体力は必要ですが・・・笑!)
そのうえ、イオン化傾向が大きいので、芳香成分の中でも少し困った臭いと結合することによって外に出さないという働きもあり、出来上がる蒸留水は他の蒸留器で蒸留した場合と比べて、とてもよい香りになることが多いのです。

もちろん、鉄などと比べて、熱伝導率が大変高いことはよく知られていますね。
短時間で沸騰して短時間で冷えてくれるので、取り扱いもとても便利なんです。